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東京国立近代美術館 ゲルハルト・リヒター展レビュー

ドイツ最高峰の画家 リヒター/東京国立近代美術館 ゲルハルト・リヒター展レビュー【アート解説・考察】

はい!皆さんこんにちは!
今回YouTubeチャンネル「ExpotionTV」ではゲルハルトリヒターを取り上げました。
動画を見て無い方は是非ご視聴お願いします!良かったらチャンネル登録もしてくれたら喜びます!!

リヒターはドイツの画家で大変人気のあるアーティストです。
先日、東京国立近代美術館の個展にも行ってきましたので感想などをつらつらと書こうかともいます。
まず簡単にリヒターについて紹介したいと思います。
ゲルハルト・リヒター(Gerhard Richter)は1932年にドイツ・ドレスデンで生まれ、2022年には90歳を迎える現代アーティスト。
20世紀後半に登場した新欧州絵画のパイオニアであり、「ドイツ最高峰の画家」と呼ばれています。
東ドイツのドレスデンで生まれたリヒターはドレスデン美術大学でアカデミックな美術教育を受けました。
当時、社会主義リアリズムが国家的に推進されており、印象派以降の芸術を扱う書籍を借りることすらかなわない状況でしたが西ドイツへの旅行中に抽象表現主義などの現代美術に触れて強い影響を受け、1961年、西ドイツに移住します。
これはベルリンの壁が建設されるわずか数ヶ月前のことでした。
ここが運命の分かれ道だったかもしれませんね。

デュッセルドルフ芸術大学に入学してからは、政治的な制約を受けることなく、独自の作風でペインティングを展開していことになります。

表現手法も多岐に渡る作家として知られています。
また作品が高額で取引されることも有名でオークションでの落札価格が度々世間を騒がせたりしています。

技法、手法

リヒターは非常に多彩な手法で知られている画家です。

■アブストラクト・ペインティングシリーズ

非常に人気の高いシリーズですが、今回の展示では大中小と入り色な大きさの作品が展示されていました。
ある時を境に油絵具を捨てて、工業系の塗料などを用いて書かれるようになります。
ロスコやポロック、ニューマンなどの後に続くおそらく抽象表現主義の第二世代とも呼べるリヒター
何枚かの作品の中にその影響が見られます。
表層の絵具を削ぎ落として、何層にも重なった色彩は非常に魅力的な作品ではないでしょうか?

■ミラーペインティング
現実と仮の世界、実像と虚像、鏡やガラスなど反射する素材を用いた作品
映り出される像を絵画に見たたてるという面白い作品。
見る方向、角度によって映されるものが違うという作品ですが
何をどう見るかにこそ意味があるとリヒターは述べています。

■ビルケナウ

ビルケナウは3カ所あったアウシュビッツ強制収容所の中でも最大の犠牲者を出した強制収容所があった
村の名称です。リヒターはこの収容所で密かに撮影された写真のイメージ上に絵具を重ね巨大な抽象画
を描きました。

■「カラーチャート」シリーズ
1960年代70年代にかけて制作されたシリーズ
画材店で見かけた色見本をもとに制作された、色とりどりの
色のチップが画面を構成している作品です。
ミニマルアートやデシャンのレディメイドにも通じる概念が垣間見えます。

■グレイ・ペインティングシリーズ
色が細分化されているカラーチャートとは対照的なグレーの身で描かれたシリーズ
ジョーンケージ

■フォトペインティング
実祭の写真を投影した像を上から模写した油彩が輪郭がボケてイメージが不明瞭に描かれているのが特徴。
リアルなのに非現実的という不思議な作品。

■オーバーペインテッドフォトシリーズ

写真の上に塗料でペイントを施した作品
写真のように描いた作品をさらに写真にとって作品にする試みもしている。

感想

今回の展示では各セクションに別れ展示がされていました。
展示方法に作家自身が関わっていることから、普通の展示とは違う、何か展示の仕方自体に意味があると感じました。
画家自身のコレクションだと時々ガッカリすることもしばしばなのですが、今回はそんなことを微塵も感じさせない質の良い作品が並んでいました。
「土砂降りのなか足を運んだ甲斐があった」素直な感想を述べるならそんな感じでしょうか。

現在東京での展示を終了して愛知県の豊田市美術館で展示中です。
足を運べる方はぜひ。

ゲルハルト・リヒター展 2022/10/15〜2023/1/25
https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/gr_2022-23/

動画内では画像付きで細かい感想や考察なども行っておりますのでぜひ本編の方もご視聴ください。

https://youtu.be/J5sFxEl99FA

文Yuki Izumi