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アメリカ発祥 前衛芸術 抽象表現主義とは【美術解説・アーティスト紹介】

アメリカ発祥 前衛芸術 抽象表現主義とは何なのか?
【美術解説・アーティスト紹介】

はい!皆さんこんにちは!
今回YouTubeチャンネル「ExpotionTV」では抽象表現主義を取り上げました。
動画を見て無い方は是非ご視聴お願いします!良かったらチャンネル登録もしてくれたら喜びます!!

抽象表現主義はアメリカ生まれの前衛芸術です。
アートの中心がパリからNYに移った大変重要な転換点でもあります。

抽象表現主義とは何なのか?

抽象表現主義は1940年代後半から1950年代にかけて主にNYで流行った芸術様式です。
しかし一つの様式を指す言葉ではなく、この時期に生まれた大画面の抽象絵画全般を指す言葉です。

抽象表現主義は美術批評家ロバート・コーツが1946年に命名しました。

この類稀な芸術様式が生まれた背景には大戦で荒廃したヨーロッパから多くの芸術家達がアメリカ
特にNYに集まった事にあります。

当時のアメリカの若い芸術家達にとってヨーロッパの前衛芸術はとっても刺激的だったと思われます。

抽象表現主義はヨーロッパの前衛芸術を土台にアメリカ先住民美術の風土を取り入れ発展して行きます。

当時のアメリカ美術はリアリズム全盛で、古い美術の伝統に縛られていました。
そこで若い芸術家たちは新しいアメリカの芸術を作ろうとしたわけです。

2人の批評家

発展には2つの外的要因が考えられます。
1つめは美術批評家ハロルド・ローゼンバーグとクレメント・グリーンバーグの存在です。

2人は互いにライバル関係にありながら、この多面的美術運動を位置づける事に成功。
大いに盛り上げる事に一役も二役も買っています。

世界恐慌と連邦美術計画

2つ目は連邦美術計画です。
1930年代の世界恐慌時にアメリカ政府が打ち出して視覚芸術に対する支援計画です。
全国に100を越えるコミュニティーアートセンターを設立、主題を制約する事無く多くのパブリック
アートを委託、不況時に10000人の美術家、工芸家を支えました。

ここには当時ライバル関係にあったソビエトに対する、表現と自由というアメリカ文化を象徴
しようとしたアメリカ政府の思惑もあったと言われています。

しかし結果的にこの計画はジャクソンポロックやデクーニングなど後にヨーロッパ美術の影響
から脱却しアメリカアートシーンを牽引する芸術家達を育てました。

技法

技法として主にアクションペインティングとカラフィールドペインティングの2つになります。
そしてどちらも大きい作品が多いのと抽象的で何が描かれてるかわからないのが特徴です。
両者共にキャンバスを場として捉えてるのも大きな特徴です。

アクションペインティングの主な作家には
ジャクソン・ポロック、ウィレム・デクーニング、フランツ・クライン

カラーフィールドの方は
マーク・ロスコ、バーネット・ニューマン、クリフォード・スティール・アドラー
等があげられます。

アクションペインティング

シュルレアリスムのオートマティズム、無意識下の探求を継承しつつ
自発的で即興的な動きで描くのが特徴です。
キャンバス上でおこなわれる行為、または起きる出来事によって
制作行為の身体性や運動性、非決定な方向が作品に強調されています。

批評家ハロルド・ローゼンバーグは『論文アメリカのアクションペイターたち』で絵でなくペイント。
描く行為であると論じています。

カラーフィールドペインティング

動的なアクションペインティングに対して静的な印象をあたえる
カラーフィールドペインティングはキャンバス全体を色面で覆い
色で観客を包む場を生み出しているのが特徴です。

美術批評家クレメント・グリーンバーグは論文アメリカ型絵画において
カラーフィールドの作家を取り上げました。

抽象表現主義の終焉 ポップアートの登場

あまりにも超越的で表現至上主義的な在り方は次第に芸術を堅苦しいものへと変えていきました。
ここに反発して登場するのがアンディーワーホルでお馴染みポップアートです。
以降、題材はより大衆的でわかりやすいものへと移り変わっていきました。

抽象表現主義を考える

抽象主義が提示したのは「絵画は絵画で独立した存在」でありえるとした事だと考えられます。

ジャクソン・ポロックはキャンバス上に描かれている対象が何か?の前に塗料であると考え絵画の物質としての存在を強調しました。
マーク・ロスコは人種、宗教を越えた精神を絵画に宿らせようと試みました。
またバーネット・ニューマンは絵画を作者の手を離れた崇高な物へと昇華させようとしました。

これはそれまでにあったヨーロッパ美術の「誰かの代弁者、または感情表現である絵画」とは別の方向性を示す結果になりました。

抽象表現主義は後にミニマルアートやコンセプチュアルアートへと繋がって行きます。
この地点で美術の方向性が大きく2つに分岐した転換点であったと考えられます。

作品を作る、観るにあたってどちらの何処の流れを汲んでいるのかを考えるのはとても重要です。
鑑賞する視点、制作姿勢にも大きく関わってきます。

ここを押さえるだけで作品の理解度は高まるのではないでしょうか。

Yuki Izumi
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お勧め美術館
https://kawamura-museum.dic.co.jp/
画像元:
https://www.wikiart.org/en/mark-rothko
https://www.moma.org/collection/works/72434
https://www.moma.org/artists/5665
https://www.moma.org/artists/4285
https://www.moma.org/artists/4675
https://en.wikipedia.org/wiki/Interchange_(de_Kooning)
https://artsandculture.google.com/asset/zinc-yellow-franz-kline/YQGPParaYCQqCQ